闇夜に鴉

闇夜に鴉

明夜による明夜のための(爆)二次創作中心亀更新ブログ。一応メインジャンルは落乱のつもり。5年生中心。

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4匹の戯れ 

なかなかなっちゃんが出てこないのは、さっちゃんの扱いに悩んでいるせいです。翔ちゃんはどうにも難しい。
あとはこの4匹だと、基本ボケ倒しでバランス良いかな、なんて。

犬妄想は呼び方に迷います。名前呼びの子は良いのだけれど、名字呼びの子たち。仕方ないから敬称そのまま名前にしてみたら違和感ありまくり……。
レンの変な渾名はスルーの方向で。みんな苗字からとってるからホントはおかしいのだけれど。





それは暖かな昼下がりのこと。
遊び疲れて日向ぼっこをしていた俺たちのところに、訓練から戻ったトキヤが来て丸くなった。ドッグランの隅の芝生は、冬でもぽかぽかと暖かい。
「お帰りなさい!」
ねえ、今日は何したの?面白い?大変?ねえ今度俺もやるんだって。
ついうっかり質問攻めにしていたら、うるさいですよ、なんてそっぽを向かれてしまった。
だって、リンちゃんが昨日、俺もやってみないかなんて言うから。どんなことをやっているのか、何が面白くて難しいのか気になったんだ。それにトキヤは俺たちが遊んでいる間ずっと龍也先生と居たから、ちょっと詰まらなかったんだよ?
組んだ足に鼻面を突っ込んで、トキヤは後にしてくださいとため息をつく。約束だよ、耳を舐めたらもうひとつため息が聞こえた。

「妬けるねぇ。まあまあ、イッキも落ち着いて」
我関せずで体を伸ばして寝ていたレンが笑う。
「替わりに、俺が何か話そう」
そこの馬鹿の失敗談ならいくらでもあるぞ。
妙に上機嫌な声で、マサ。前半はトキヤに気を使ったのかな。後半は、さっきの追いかけっこで負けた仕返しかもしれない。レンの脚には誰も敵わないから。
話題に出されたのだろうレンが不機嫌そうに振り向いたけど、マサは気にしない。レンを飛び越して俺の隣に座りなおした。途中で砂色の長い尻尾を踏みつけることも忘れない。痛い痛いっ、悲痛な喚きは黙殺された。
「そうだな……。トキヤがこの家に来たばかりのころの話だ」
また随分前の話ですね。眠そうな声で、トキヤが言う。まだ私があまり外に出して貰えなかった頃でしょうか。
「ああ。あの頃のトキヤは耳が垂れていてな」
幼い顔をしていたが、目線は既に俺とそう変わらなかった。懐かしそうにも悔しそうにも聞こえる声。
そういえばこの中ではマサが一番小さい。あんまり意識したことなかったけど。だって、あれだけレンを追い掛けまわしておいてもうけろりとしてる。持久力だけはレンを超すんじゃないかな。
うんうん、あれは可愛かったよねぇ。レンが続ける。こちらは寝転んだきりまだ起き上がる気はなさそうだ。
「そうそう。真斗ってばイッチーを見て、また自分が一番小さいのかって嘆いてたんだよ」
おチビが来るまで、コイツが一番チビだったから。レンが首だけ上げて笑う。
「成長が止まっちまったの、結構気にしててさ」
「貴様が無駄にでかいだけだろう」
また尾を踏みつけて、マサが牙を鳴らす。噛み付き甲斐があるのは悪くないがな?
「これでも犬種としちゃあ小柄なんだよ、ご主人曰く」
パタパタ尻尾をくねらせて、レン。止めてくれよ、痛いじゃないか。
真斗さんが柴犬としては大きめだそうなので、多分バランスは取れているんですよ。トキヤの微妙なフォローは俺にしか聞こえなかったらしい。じゃれあいは止まらない。
「仔犬のトキヤってどんなだったの?」
寝てるトキヤの隣で喧嘩なんてされたらたまらない。慌てて言うと、歯を剥き出したままマサが笑った。音也は友人想いだな。
レンの尻尾には相変わらず体重がのせられたまま。
「そうだな……」
全体的にもっと黒かったな。特に顔は殆ど黒一色だったはずだ。耳は今のサイズのまま垂れていて、アンバランスに大きい印象だったが。
マサが言うままに想像してみる。何だかうまくいかなくて、前肢で耳をねかしてみようとしたら、首を降って逃げられた。
「結構怖がりでね」
真斗にはさっさと近付いたくせに、オレのことはやたらと警戒してくれちゃって。レンが続ける。
「記憶にありませんが?」
ちょっと慌てたようにトキヤ。寝てて良いんだけどな?
「背丈が倍はあったんだ、仕方あるまい」
フォローするマサもちょっと笑ってる。龍也先生の指示で悠然と犯人(役)を追い詰めるトキヤからは想像がつかない。まあ今でも雷が怖かったり、可愛いとこもあるけど。
「今でも大きい音は苦手だよね?」
「慎重なだけです!」
ついに顔を上げてトキヤが吠えた。
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御曹司組 

犬プリ第二段は幼少の御曹司組。
更新の多さからも瞭然ですが、御曹司組贔屓です。
単体ならなっちゃんが好き。故に書けない……(涙)


手元の犬種図鑑のアフガンの項に「運動させる時には、リードを外してしまうとどこまでも走っていってしまうことがあるので注意」とあるのに萌え(笑)
何処までも走っていって迷子になる。そんな幼少期もいつか書きたいものです。


今回は、マサが来たあたりの話を回想するレン。




「レン、おいで」
ご主人の声に、ぬくぬくした微睡みから引き戻される。
あれ、珍しいな。忙しいご主人がこんな時間にまだ家に居るなんて。何時もなら奥さまがご飯を持って起こしに来てくれる時間なのに。
不思議に思いながら頭を振って眠気を払う。顔を上げれば大きな掌が降りてきた。
今日はお休みの日だったろうか。それなら遊んで貰えるかな。瞬間の不審はあっという間に喜びに紛れて消えてしまう。

それが、今思い出しても俺の人生一番の大事件が起きた、日の朝だった。
どうしてあの時もっと……と後悔しても、もう手遅れだけれど。いろいろと。


起きてご主人からご飯を貰い、ダイニングへ行くと奥さまがおめかししてうきうきとご主人に話しかけていた。
興奮気味の矢継ぎ早な会話は子犬の耳ではうまく拾えず、俺は楽しそうな雰囲気に浮かれて奥さまの後をついて回った。俺にとって楽しくない結果が待っているなんて考えもしなかった。
そうこうしているうちに奥さまの準備が整ったのか、ご主人と二人で玄関へ。遊んで貰えるかもしれない期待は外れて、二人とも出掛けてしまうらしい。玄関でしょんぼりした俺をご主人の大きな掌が撫でまわして、お出かけ前の挨拶を聞く。きちんと座って見送っていたら、閉まりかけた扉の向こうから奥さまが一言。
「貴方のお友だちを連れてくるからね」
その日最初に掴んだ、悪い予感の尻尾だった。

まだ向かいの訓練所に、トキヤが来る前のことだ。(トキヤがドッグランで遊ぶようになった頃は確か、真斗がこれ以上成長しない体に苛立っていた。つまり俺はもう成犬サイズだったのだけど。自分と殆ど変わらないサイズの仔犬に真斗がこっそり顔をしかめていたのを覚えている。)
タイミング悪く、俺の周りの子犬たちは殆どが小型犬だった。だから、俺は「友達」という言葉にあまり良い印象を持てずにいた。
遊んでくれる年上の大型犬も居たから、遊び相手に不満があった訳じゃない。ただ奥さまが「お友だちよ」と呼ぶ同じ月齢の犬たちはあまりに小さくて、それなのにこちらへ飛び付いてくるものだから、なんだか潰してしまいそうで怖かった。足先でひっくり返せるし、走ったって直ぐに着いてこられなくなるし。
あんなふにゃふにゃしたのが家に来るんだろうか。それはあまり面白くない想像だった。奥さまの楽しそうな声がそれに拍車をかけた。
俺の詰まらなそうな顔を見て庭師の藤川がドッグランへ連れていってくれたが、八つ当たりでボールを噛み壊してしまったせいで遊びは早々にお開きとなってしまった。

新しいボールをくわえてうろうろしていた俺が車の音を聞き付けたのは、優しい日差しが眠気を誘う昼下がり。屋敷の中はどこか弛緩していて、それが車のエンジン音ひとつで活気付くのがおかしかった。
例に漏れず俺もご主人を迎えに飛んでいって、そうして。奥さまの腕の中に、茶色い塊を見つけた。眠いのか不安なのか、目をしぱしぱさせた仔犬は、予想したままに小さい。なんだ、詰まらない。それが第一印象。
「ほら、レン。お前の弟よ」
どう考えても一滴の血の繋がりもないだろう仔犬を差し示して奥さまが笑う。
せっかく出迎えたのに、仔犬を抱いたままの両手はこちらを撫でもしない。そういえば今日はまだ一度も奥さまに撫でられていないと気付いて、更に気分が降下した。
奥さまは手のなかの毛玉に気を取られたまま、こちらの落胆に気付きもしない。奥へ向かう足取りが弾んで、傍らを行き過ぎる。
「良い子にしていたか、レン」
ご主人が撫でてくれるのは勿論嬉しかったけれど、何だか釈然としなかった。昨日まで、奥様の手も俺のために空いていたのに。

ソファに座る奥さまに近づき、甘えようと膝に鼻を乗せる。が、相変わらずそこには先客がいて、俺は期せずして気に入らない毛玉と鼻を付き合わせる羽目になった。
本当に小さい。俺の半分も無いだろうか。鼻を近付けると母犬の匂いがした。ミルクの甘い匂い。
相手もこちらに興味が在るようで、黒い鼻先を突き出してくる。すらりと伸びた前足が鼻を掠めた。思ったよりも堅い。最初の予測よりは年が近いのか。それなのに母犬の匂いをさせて、甘えん坊め。
奥さまの手が毛玉の背中を滑る。気に入らなくて鼻を鳴らすと、黒い瞳がぱちぱち瞬いた。それから何を思ったか、揃えた足が突っ張って。床にすとんと軽い足音。白い胸を張って立つ姿はしっかりと堅い。茶色い毛並みは短くて、ふよふよと柔らかいけれど。
これならじゃれついてもつぶれないかもしれない。少し興味が沸いた。
「初めまして、お兄ちゃん」
素直に挨拶してくるところもまあ、悪くない。思って、けれどやっぱり奥さまを独り占めしたのは許せないから、肩にぶつかって転ばせた。さあ、遊ぼうか、おチビちゃん。
跳ね起きた毛玉にお辞儀をして走り出す。後ろから尻尾を引っ張られて、すぐに取っ組み合いが始まった。

そうして、現在。
初対面から奥さまを独り占めした嫌な奴はそれからも彼女の愛情をほしいままにし、今では彼女の隣は奴の席と決まってしまった。俺だってご主人の隣は譲らないけれど。結果的に俺と真斗が並ぶ羽目になるのはあくまで偶然だ。ご主人たちがソファをふたつ並べているのだから仕方ない。
初対面から果敢にこちらへぶつかってきた毛玉は成長し、犬種としては大柄な体を伸ばしてテニスボールの革剥きに勤しんでいる。相変わらず俺の半分程しか無いこいつの趣味のひとつだ。何が面白いのか俺には理解出来ないが。
そういえば、彼が家に来た日に俺が貰ったボールも彼に剥かれたのだった。お陰で我が家には真っ黒いゴムボールがいくつも転がっている。
「真斗」
「ん?何だ?」
戯れに名を呼ぶ。顔を上げた隙に、半分剥かれたボールを奪って走り出す。もう尻尾に噛みつかれるような愚は犯さない。今じゃ、ここいらで俺の脚に敵うやつは居ないんだぜ?
「ほらほら、鬼さんこちらってな?」
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ブラッシング 

犬プリシリーズ番外、真斗のブラッシング(笑)
うちの子にブラッシングしていて思い付いたシロモノです。

当然山もオチも意味もなく、唐突に始まって終わります。



隣のドッグランで思うさま遊んだ晩秋の昼下がり。今日はご主人もお休みで、夕方には家族揃って散歩に行く約束になっている。そんな贅沢な1日の中弛みみたいなひととき。定位置であるお二人のソファの間に寝転んで満喫していた幸福と微睡みは、席を立ったご主人がそれを手に戻られた瞬間に霧散した。
「あ……」
条件反射で身を起こす。隣で寝転んだままのレンが不機嫌そうに鼻に皺を寄せた。恐らく俺も同じような顔をしていたのだろう。一歩引いた足を見咎めた奥さまにオスワリを申し付けられてしまった。
「観念しろって」
下からレンが不機嫌を隠さない声音で唸る。
渋々見上げたご主人の掌中、銀色に輝くスリッカーは、俺の天敵のひとつだ。

「おいで、真斗」
呼ばれるままに縁側へ着いていくと、じいが水を入れたバケツを運んでくる。反対の手には霧吹き。冷たい水を吹き付けるこれも苦手だが、無ければ無いで不快な思いをする羽目になるのは体験済みだ。とりあえず睨み付けて唸っておく。ご主人に唸る訳にはいかないのでな。

今の時期、柴犬はやたらと毛が抜ける。冬に向けての仕度の一環だが、毛が増えるこの時期に何故それ程までに抜ける必要があるのか。常々謎だ。因みに梅雨の頃にも今以上に抜ける。こちらは冬の毛をふるい落として夏の暑さに備える為だから、致し方あるまい。
霧吹きを当てられて、体を振って対抗する。所詮は霧だ、飛ばせる程の水分は無いが。ご主人が笑って、スリッカーを背中に宛て、滑らせる。退屈な時間の始まりだ。

ご主人の手つきに従って不要な毛が抜けていく。それ自体はすっきりするし、僅かに皮膚に触れる感触はそう悪いばかりでもない。時折降りかかる水滴は不快だが。
しかし何よりの不満は、時間の長さだ。いくら敬愛するご主人といえど、同じ場所ばかり何度も執拗に撫でられては辟易する。しかも全身だ。
振り返ると、不機嫌を絵に描いたようなレンと目が合った。其処はオレの場所だとばかりに睨み付けてくる。ならば替われと言ってやりたいが、あまり室内に毛を落としてはメイドに渋い顔をされる。仕方の無いことだ。

確かに、この時期を除けばこうしてご主人にブラシを宛てられるのは専らレンの役目だ。彼の長い毛は絡まり易い上、すぐに埃を吸い込む。よってご主人は毎晩丁寧に砂色の体を梳ることとなる。
まるで上質の敷物みたいに寝転んでご主人との時間を享受するレンはひどく幸せそうな顔をしている。俺からすれば退屈なばかり、とはいえ好みは犬それぞれ。俺は奥さまが編み物や刺繍をなさるのを眺めるのが好きだが、レンは退屈な趣味だと馬鹿にしてきかない。

時おり、スリッカーが毛の合間でパチリとはぜる。これも不快を増す要因だ。ご主人が手を伸ばして、また水滴が降り注ぐ。せめてもの抵抗に、前肢を突っ張って霧吹きを遠ざけた。
背後からまた、低い唸り声。まだ終わらないのかと拗ねるレンだ。
苦笑したご主人が振り返って口を開く。
「あと半分だ」
(そんなにっ?)
(そんなにあるのか……)
揃って落胆を示した2匹の更に後ろから、奥様の笑い声。
「あらあら、ふたりともおんなじかお」
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野良犬音也の問わず語り 

犬プリの最初は、野良犬音也の半生語り。
聞き手は何となく、セシルイメージで書いています。が、全く喋らないのでお好きに想像してください。



俺の名前は音也。
といっても、この名前で呼ばれるようになったのは、多分2年をやっと超えたばかりの人生の中でも、極々最近のことだ。
正確には一月前。俺は幾つ目かの人生の転機とやらを迎えてここへ連れて来られた。生まれて初めての、俺だけの名前と一緒に。


俺は捨て犬だ。
いや、捨て犬だった。今はもう過去形だから。

最初の記憶はダンボールの壁と頼りなく響く兄弟たちの声。それから時々差し出される小さな手と、良い匂いのカタマリ。後から思い出すにそれはパンとかおにぎりと呼ばれる食べ物で、多分学校帰りの子供が給食の残りでもくれたんだろう。

やがてダンボールから這い出すようになった俺の最初の転機は、遠出した隙に家を持ち去られたこと。どうやら俺が出掛けていた間に、誰かがダンボールごと兄弟を拾っていってしまったらしい。
この間その話をトキヤ(俺が貰われた家で飼われているシェパードだ。何でも警察犬とかいうのになるために訓練中なんだとか。俺らの飼い主は俺もおんなじにしたいらしいけど、どういうものなのか俺にはまださっぱり分からない)にしたら、運が良かったのか悪かったのか、だってさ。
俺は俺の人生をそれなりに気に入っているけれど、兄弟たちは良い人に拾われていれば良いと思う。きっとそうだと、信じてる。


そうそう、トキヤの話をしようか。
彼はこの家に飼われている犬たちの中では一番年上で、一番大きい。まあ俺は俺の歳なんて数えてないから良くは分からないけど。
もっと大きいのが良く来るけど、彼はお向かいさんの犬だし。なつきは預かってるだけ、らしいし。(なつきはでかくてふわふわで、夏は暑そうだ。シベリアンハスキーっていう、寒いところに住んでた犬らしい)

うん、トキヤね。
彼は黒くてでかくて、ちょっと怖そうな顔をしてる。最初に会った時はちょっと臭いをかいだだけでそっぽ向いちゃったから、取っつきにくい奴かと思った。でもここのルール教えてくれたし、夜行性が染み付いてる俺を毎朝起こしてくれたりする。
実は面倒見が良くて優しいところが大好き。雷が怖い、なんて可愛い面もある。

ここには俺を含めて3匹の犬が居る。
トキヤと俺は、家の隣にある犬舎の隣同士の部屋で寝てるけど、もうひとりは飼い主のオジサンの娘の、春歌ちゃんの犬で、彼女と一緒に家で寝る。
翔はちっちゃくて見た目は可愛らしいけど、すっごく男気溢れる奴。パピヨンっていう種類で、大きな耳がぱたぱた動くから嬉しいも怖いも良く分かる。よくとおる声は威勢良く、でも吠える姿は一生懸命でちょっと可愛い。
なつき曰く、ちっちゃくて可愛い翔ちゃんは、ちっちゃくて愛らしい春歌ちゃんのナイトさま、なんだそうだ。

そのなつきは今、俺たちの向かいの部屋でお腹出して寝てる。
何でも、ここの家族は訓練士をしているとか。なつきはここに預けられて訓練中なんだそうだ。本当の家族はとっても広いお家に住んでいて、大きな動物さんがいっぱいいるんだって聞いた。
この犬舎にはそういう余所の犬を住まわせる部屋がまだ幾つもあって、時々知らない子が一晩二晩泊まってく。ホテルみたいなもんだって、トキヤは言ってた。
長く居るのは、今のところなつきだけ。ふわふわしてあったかくてマイペースだけど、時々すっごく恐い顔で怒るからびっくりさせられる。まだ1回しか見たことないけど。


あれ、何の話をしてたんだっけ。
そっか、うん、俺がここに来るまでの話だったね。
……何処まで話した?
そうそう、兄弟たちが拾われていったところまでだ。

急に家がなくなっておろおろしていた俺を拾ってくれたのは、ホームレスのおっちゃんだった。
差し出されたハムに釣られていったテントは不思議なもので溢れていて、抱かれて寝たらすっごくあったかいんだ。そんなこんなで、暫くはおっちゃんと一緒にいた。おっちゃんの引くリヤカーに乗っけてもらったり、一緒に歌ったり。楽しかったなあ。


次の転機は、俺のうっかりから始まった。散歩中に美味しそうな匂いに引かれて忍び込んだトラックの荷台に閉じ込められて、遠くまで運ばれちゃったんだ。
良い匂いは運転手のおにーさんのお昼ご飯の残り香でさ。見つけたのは空っぽの入れ物だけ。ちょっとだけ残ってたソースを舐めたくらいじゃお腹は空いたままだし、暗いし揺れるしで散々な目にあったよ、ホント。
こないだレンに話したら、ひっくり返って大笑いされちゃったっけ。


レンはね、お向かいの大きな家に飼われてるアフガンハウンド。
背が高くってすらっとしてて、でも案外ふさふさしてる。毎日ブラッシングしてもらう自慢のコートらしいけど、マサに言わせれば鬱陶しい毛玉だそうだ。
黙って立ってればカッコイイと思うよ、うん。

こないだもひっくり返って大笑いしてたから、背中が砂だらけになってた。
屈ませて払ってあげるマサは、綺麗好きなんだか面倒見が良いんだか。仲良しだねって言うと二人ともに否定されるけど。
否定の言葉も息がぴったりで、やっぱり仲良しなんだって、なつきが話してた。

マサ?マサはね、レンとおんなじとこに住んでる柴犬。
背中に巻き上がった尾は俺とお揃い。俺の方が大きいけど。
俺にも柴犬の血が混じってるんじゃないかってマサは言う。レンに言わせれば巻いた尾は日本犬共通だから、柴犬とは限らないんだそうだ。
マサはレンより一月だけ年下らしい。レンは、昔は「お兄ちゃん!」ってレンの後を付いて回ってたって自慢するけど、今じゃ後をついて回るのはもっぱらレンのほうだ。よく、暑苦しいって吠えられてる。

二人ともうちのドッグランの常連で、トキヤやなつきも一緒にボールを追っかけたり日向ぼっこしたりする。友達ってやつかな。


また話が逸れちゃったね。
おっちゃん、元気にしてるかなあ。いきなり居なくなっちゃったから、心配してないかな。

うん、トラック。
俺は荷台に閉じ込められてたから、何処をどう通ったのかは分からない。だから、おっちゃんの居たテントが何処にあるのか、どうしたら会えるのかはもう分からない。ただ、震えてるうちにいつの間にか眠ってしまうくらい、遠くまで運ばれちゃったってことだけ分かった。
明るくなって目が覚めたら、運転手のおにーさんが俺を見つけてびっくりしてた。

運良くトラックが運んでいたのは俺には全くどうでもいい機械の部品で。お陰で俺は泥棒の濡れ衣を着せられることもなく無罪放免、のはずだった。はずだったん、だけど。
運送屋のおにーさんは何を思ってか、俺にご飯をくれて事務所へ連れていった。そこで何人もの人に囲まれて、それから俺は世にも恐ろしい目にあった。
お湯を張った盥を目の前でひっくり返されて、頭からお湯を……。うん、つまりね、丸洗いされたんだ。生まれて、初めて。

あれよあれよという間に俺はびっしょびしょにされて、白い泡でこすられて泡だらけにされて、それから轟音を立てる機械から出る風とタオルにもみくちゃにされた。
そうして生まれ変わったみたいにぴかぴかふわふわにされて、事務所の前に繋がれた。
赤い首輪は窮屈だったけど、皆が何度も嬉しそうに褒めてくれるものだから、かじりつくチャンスを逃しちゃった。赤い屋根の小屋も作って貰って、目出度く看板犬のできあがり。
何故か名前は好き勝手に呼ばれたけど。ポチとかコロとハチとかクロとか。一番年上のおじさんは、いつまでたっても犬っころって呼んでた。


こっから先はもう、転機はひとつだけ。
事務所がどっかのビルに移転することになって、飼えなくなった俺を今の家の人たちが迎えてくれた。
俺を閉じ込めたトラックの、今度は助手席に座って、おんなじおにーさんに連れて来られたのが一月前。
そっからは、君も知ってるでしょ?


さて、俺の話はこれでお仕舞い。詳しくは、またそのうちね。
隣でトキヤの尻尾が、不機嫌そうにパタパタ音立ててるから。
それにそろそろ寝ないと、また明日寝坊しちゃう。トキヤのお説教は長いから嫌いなんだ。

じゃあね、おやすみなさい。不思議な黒猫さん。
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プリンスさま犬化妄想 

と言うことで。

プリンスさま犬化妄想、略して犬プリ。曝してみたいと思います。

先ずは(とーってもアバウトな)設定から。

メイン舞台はとある訓練士夫婦、龍也さんと林檎ちゃんの訓練所。
龍也さんに飼われるシェパード、トキヤは嘱託警察犬を目指して訓練中。
それを常々羨ましく思っていた林檎ちゃんは、知り合いの伝から、元野良犬、日本犬系雑種の音也を引き取ります。
真面目なトキヤと奔放な音也、それにお向かいの豪邸で飼われるアフガンハウンド、レンと柴犬真斗、月宮夫婦の愛娘春歌ちゃんと彼女の愛犬、ポメラニアンの翔を加えた5匹の気儘な飼い犬ライフ、妄想スタート(笑)


○音也
2才くらいの日本犬系雑種、中型。
川原に捨てられていた元野良犬。何人かの間を点々とし、最終的に林檎ちゃんに引き取られる。

○トキヤ
2才半くらいのジャーマンシェパード。
龍也さんの犬で、嘱託警察犬を目指して訓練中。
慎重な性格で、雷が苦手。

○レン
3才くらいのアフガンハウンド。2ヶ月で訓練所向かいの豪邸のご主人に一目惚れされ貰われてきた。寂しがり屋でご主人一筋。後から来たちび犬が目障りだけど気になって仕方ない。

○真斗
旦那に触発されて、豪邸の奥様が貰ってきた柴犬。同居犬の影響か、柴犬のくせにデカめの15kg。太ってはいない。約3才。
デカくて勢いのあるレンに潰されないよう、3ヶ月過ぎてから貰われてきた。落ち着いていて、レンのことは仕方のないやつだと思っているが、対抗意識が無い訳ではない。
犬種の差で、体格でも足の速さでも、レンにも、年下のトキヤにも勝てないのがちょっとコンプレックス。

○翔
訓練士夫婦の愛娘が飼うパピヨン。
外の犬舎で寝起きするトキヤ、音也と違い、春歌の私室で暮らす、春歌の自称ナイト。1才半くらい。
犬種からすれば標準サイズだが、周りがデカイので、とにかく小さいのがコンプレックス。

○那月
時々豹変して飼い主を噛むので、龍也に預けられているシベリアンハスキー。赤。3才くらい。
基本的には温厚でふわふわしているが、地雷を踏むと恐ろしい顔でキレる。
実は前の飼い主に虐待を受けていて、二重犬格。今の飼い主は奔放な夫婦(なっちゃんの両親イメージ)。北海道で営む農場での放し飼いを夢見て、龍也さんと共に訓練中。

とりあえず、今のところこんなもの。
なっちゃんが書けなくて悩み中。
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5月ぶり 

お久しぶりです。
なんて言ってみる。多分、誰も見ていないけれど。


就活が終わって、今度は卒論の季節になりました。犬絡みで1万字。はまればすぐ終わると信じたい(笑)


ここ1年あまり、乙女ゲームにはまっています。
うたのプリンスさま、略してうたプリ。大はまりした友人に勧められ、すとんと落ちました。
ゲームの新作予約なんて初めてやった気がする。

友人にゲームを借り、クリアし。当然のように腐った方向に横滑りし。
そして書き上げたのは、何故か犬化パロ。

自分の思考回路が理解できません(笑)
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桃色の彼女 

久々の更新は、オリジナルと2次の間を漂う骨董屋。
一応、キャラの元ネタはBSRなんですが、まあ気にしたら負けってレベルでキャラ崩壊&曖昧設定。

それにしても、何年振りの小話更新なのやら。


  
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恐竜! 

サボり分ラスト!




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